新しい展示のお知らせ馬場智行『ACRYL』


馬場智行(小野企画)『ACRYL』4月14日(火曜) - 4月26日(日曜)
人類の科学は様々な問題を、不可能を可能にすることによって解消してきた。
私たちの生活は自らが作り出してきた様々な技術の恩恵を受けている。
それらの一部に は体外受精やクローンという、生命の存在意義に関わる技術がある。
文化とあくなき向上心が人間の真髄と言えるかもしれない。しかし、それによってもたらされるものは、
人間を生物たらしめていることを奪うかもしれない。 作者は水族館の生物 を人間の行く末、あるいは現在の姿を暗示するモチーフとしている。
水族館の生物 と海に生きる同生物との一番の違いは、生存競争に身を置かないということだろう。そのことが両者の生き方を大きく分けている。
水族館には人口の波や岩、そして人間がある。これらの生き物は、人間の生み出した技術に囲まれ、育まれている。
姿形は海に生きるそれと何ら変わりないが別の存在に成りつつあるのかもし れない。
数十センチのアクリル壁一枚を隔てた場所に存在するその姿は、あたかも 自然の摂理から逸脱した人間のようである。