新しい展示のお知らせ 藤木雄汰 写真展 なっとくしゅーる

○2012/10/2(火曜)より10/14(日曜)まで
藤木雄汰写真展 ※企画/齊藤 ‘なっとくしゅーる’
を展示します。



モノクロ25点

作家在廊日 10/2、4,6,7、13,14。
人は盲目的で、無垢なままに
「シュール」という言葉を発っしてきた。
それは世界と、
ある予定調和的な距離をとることで
世界を個人的に所有し
自己の認識下に置きたいという欲求から生じた結果である。

我々の「シュール」という認識が世界を分節化する過程において
その影響力は決して自意識や理性といった
囲いの外側へ及ぶものではない。
なぜなら人は
生れ落ちてより物理学を身に付けてゆくからであり
その体験的、
またはそこから生ずる想像的な認知から発する引力には
逆らうことが出来ず
ゆえに開放された現実、
つまり超現実を見ることは出来ないのだ。

ここでいう超現実とは、
現実離れをした現実を意味するのではなく
日常の裡から不意にむき出しとなり、
立ち現れてくる強度の強い現実のことを指すが
それを「見る」にはどうやら、
言葉による世界の分節化を放棄するしかないように思う。

つまり、
我々は理解を超えた事物を目撃したとき、
それを認識しようと「シュール」という言葉を発してきたが
我々はその言葉を発することをやめ、
眼前に突きつけられた映像を
ただ無条件に享受することによって
そこから立ち上がってくる
強度の強い現実を「見」なければならない。

藤木雄汰



今回の展示は、写真を選ぶ基準を、
しゅーるか否かと言うことにおきました。

自分たちが‘しゅーる’と言う言葉を使う時、
言葉での説明は野暮、と言うニュアンスがある様な気がして、
言えば言葉での説明を不要とし、
その良さを称えることなのかと。

作家の藤木氏と展示の準備をするにあたり、
これは該当しないのでは?という時には言葉は出てきますが、
該当するといった時、これはしゅーるだね、で、終わり、
言葉は出てきません。

藤木氏の書いた文章は、
しゅーるの説明をそんな中敢えてやっている訳で、
どこか無理矢理感があります。
言えば野暮なことをしている、
言葉での説明のアンチテーゼとしてあります。

これは藤木氏にも了解済です。

なを、
超現実主義であるシュールレアリズムとは、
全然関係ありません。
世界に向けている意味での、
ヒロシマナガサキ、フクシマのカタカナ表記の逆で、
自分たちがごくごく日常の中で使用すると言う意味での、
ひらがな表記での‘しゅーる’です。
誤解がない様、念の為。

写真を見慣れない人でも、
しゅーるかどうか考えながらご覧なって頂けると、
見やすいかと思います。
お試し下さい。

企画者 齊藤明彦

よろしくお願いします。