新しい展示のお知らせ 齊藤明彦写真展 'from the east,to the side of west’

3/20(火)より4/1(日)の間、齊藤明彦写真展 ‘from the east,to the side of west’を展示します。

東京から西脇、
距離にして700Km弱、
時間にして一日(ひとひ。

4年の猶予を持ちつつも、もう2年が経った。
移住を決めてから2年。現地を改めて見ておこうと、もう一度行くのに2年。
これだけの時間がかかったのも、
これから時間が掛かるのも、
一言には言い表せない、色々なことがあって。
ただ、それを言い訳にしてはいけないのだけは確かで。

西脇が地元に、東京を故郷に。
そうなるにはまだまだ時間がかかるけれど、
一旦その尺度を実際の距離に置き換える為の、
その為の旅、の、記録。

作家在廊 
20、21以外は、作家の齊藤が在廊しています。

モノクロRCプリント  5×7inch 3000円(額装こみ) 
            ※シートのみ600円  ピン穴あり
ゼラチンシルバープリント 8×10 inch 8500円(額装こみ)
            ※シートのみ5000円 ピン穴あり

※ピン穴はマットにて隠れます。穴のないものは通常での販売価格となります。
                詳細はギャラリーまでお問い合わせ下さい。





展示を振返ってのエッセイ

祖母が亡くなる前、
入院先の病院から、
だまって家の方角を指差していたと、
家族伝いで聞いていた。
家に帰りたいとの、
最期の意思表示だったのだろう。

3月27日を含む今回の期間に展示を決めたのは、
27日が祖母の命日だったことに起因する。
本当なら、祖母にあてた内容の展示をする予定だったのだが、
諸事情により実現が困難となり、
それならば、
自分のこれからを示唆する展示が出来たらと、
西脇を目指すこととなった。
多分それもまた祖母への供養となるであろうからと。


故郷を語る時、
三通り捉え方がある気がしていて、
一つは日本人の原風景としての、
一つは生まれ育った地として、
もう一つに、
自分が最終的に帰りたい場としての故郷があり、
自分はずっと後者二つは東京だと思っていたが、
2年前より、
最終的には西脇へ行きたいと思う様になった。


今回展示をして思ったのは、
地元であれば晴れた日、雨の日、雪、曇り、
また何が変わるともない変化があり、
否応なく繰り返し見る中で、
言えば現存する物質の先に、
その経過した時間を見ている様な、
そんな感覚があると思うが、
そう言ったものはやはりまだ、
東京にしか僕はないということ。

名古屋の人に、
名古屋を撮影した写真に対し言われた意見に、
まだ一度しか言ったことのない負い目というか、
異邦人的な感じがなくはなかった。
西脇の写真に対しても、
地元の人に見てもらったりすれば、
似た様な感覚がまだあるのかと思う。


今回、
西脇では一日とも晴れることはなかった。
ずっと雨が降っていて、
それもまた貴重なことだったのかと思う。

齊藤明彦