新しい展示のお知らせ STREET PHOTOGRAPHS

9/6(火曜)より9/18(日曜)までの期間、 山方伸・林隆文・齊藤明彦 3人展 STREET PHOTOGRAPHSを展示します。

9/6にはオープニングパーティー(無料・申し込み不要)、9/17日にはトークショー(参加費300円・ワンドリンク付)も開催しますので、
是非お立ち寄り下さい。

ギャラリー当番
齊藤(6,9,13,18)林(8,5,17)山方(7,10,14,16)
11はメンバーの佐久間の在廊となっております。

 



写真になって初めてみえてくるもの。

写真を目の前にした時、「何が写っているのか?」ということに着目することがあるだろう。
「被写体は何であるか?」 しかし、写真を観る上でこのことは重要なことなのであろうか?
もちろん、どういった目的の写真かということにもよるのだが、
少なくとも今回の、齊藤明彦、林隆文、山方伸の作品にとっては、
写っているものそれ自体が辞書の上で定義されている意味は重要でない。
つまり、「何が写っているのか?」ということではなく、
「何がみえるか?」ということに着目してもらうことが今回の展覧会の一つのテーマともいえる。

普段気にも留めていないものをじっくりと見つめられるということが写真の最大の魅力の一つである。
ひとたび写真になれば、
人の表情や動作、衣類の質感、背景、モノの配置や位置関係、状態、想像できる触感などを視覚を通して感じることが可能になる。
そこに現れるのは、本来ある意味とも違う、期待したものとも違う、認識していたものとも違う、予想外のもの。
写真には、いかに人間の眼に意外で、不可解で、興味深いものが存在し、配置されるのかということである。
写真には、現実を越えてみえてくるものが、確かに存在するのだ。
この展覧会はストリートフォトグラフィーの一つの観方の提案であり、
写真を細分化する分野の垣根を取り払い、
写真を観ることのおもしろさの根源へ立ち帰るために投じる一石になればと思う。
小寺規古




展示を振返ってのエッセイ(静物に関して)

シャッターを切る瞬間というのもまた作家のその個性をきめる要因の一つだと思う。
静物のシリーズは元々は故郷の東京がテーマだった。近づきもしない、離れもしない、
そこにいることをのみ肯定されるその距離感を提示することがテーマだった。
が、方法が先行するのは良くないことは承知の上で、
その方法が作品に色を与えることも否定は出来ず、
一緒に展示した山方氏、林氏との違いを見る中で、
自分の作品を改めて見つめ直したように思う。

葉の全てに陽の光を。
静物のシリーズをやめて以来、植物をよく撮影する。
葉の成り立ちに魅かれる。
それはおそらく静物において、
待ち行く人を全て等価に、顔(実際の顔で鼻くその印象の核となるもの)を隠さぬ様、
折り重ねつつ配置につとめた、
その自分の趣向故、流れとしては自然であったのかのように思う。






                               企画者 齊藤明彦