新しい展示のお知らせ(植村美香写真展)

5/17(火曜)〜5/29(日曜)まで、植村美香写真展 ‘Coming And Going' を展示します。





















A2 カラーインクジェットプリント 18点 
5/20(金)18:00〜 パーティーも行われますので、
こちらも是非ご参加下さい。
期間中はずっと作家が在廊しています。








展示を振返ってのエッセイ

 植村の写真において、視線が遠くにあると言う印象がある。
遠くに視線をおき、結果として、見えるはずの全景の一部が残る。
それは余分なものを削ぐと言うよりは、
視ると言う行為を表象させているかの様な印象を受け、
写真家が通常行う削ぐ作業を不在とさせる。
今回の展示においては、その視線の機軸となる地点は東京タワーであり、
何らかのシンボリズムを有する塔から見える外界が展開される。
それは、被写体側(東京タワー)から視線であり、
同時にそこに投げ返される東京タワーへの視線が画面上に写しだされる。
それらの往来(Coming and Going)する視線は、絡まる様ですれ違い、
その交差の中に息を潜め、その事象を植村は写し込んでいるかの様だ。
また、植村が自身の作品を語る時、度々、定点観測という言葉を用いる。
植村は観る作家だ。
何かに対する概念的抽象を現実に置きかえ具現化するのではなく、
外界に対し真摯に視線を投げ掛け、
そう言ったとき、有象無象の事象を迷わず見る為に、
自らの立ち位置を定め、それは時に塔となり、時に電車となり、
‘私はここからあなたを観る’と、被写体との対話を植村は始めるのである。


                             企画者 齊藤明彦